どの仮想通貨取引所にするか決める中で、それぞれの取引所の手数料が気になっている方もいらっしゃると思います。
結論から申し上げると、手数料については、基本的には各仮想通貨取引所でそれほど大きな差はありません。
ただ、一部差が大きいものがあり、知らないと損をする注意点があります。
本記事ではそういった注意点もご説明しつつ、主要な仮想通貨取引所の手数料の比較をお示し、基本的に各仮想通貨取引所で手数料の差があまり無いことを理解いただこうと思います。
それではご覧ください。
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主な手数料の種類
手数料の比較をする前に、まずは主な手数料の種類を押さえておきましょう。
主な手数料は下記の5種類になります。
- 入金手数料:
- 銀行から仮想通貨取引所に円を入金する場合の手数料です。これは銀行の振込手数料のみがかかります。(振込手数料は各銀行に依存しますが、例えば三菱UFJなら220円です。どの銀行も大体これくらいの手数料と思っていただければいいでしょう。)
- 出金手数料:
- 仮想通貨取引所から銀行に円を出金する時の手数料
- 購入手数料:
- 暗号資産(仮想通貨)を購入する時の手数料
- 売却手数料:
- 暗号資産(仮想通貨)を売却する時の手数料
- 送金手数料:
- 暗号資産(仮想通貨)を他の仮想通貨取引所に送金する場合の手数料(送金については、例えば、国内では取り扱いのない暗号資産(仮想通貨)の取引をするために、海外の仮想通貨取引所への送金する場合などに必要になります。ブロックチェーンゲームでは必要になることが多いです。)
仮想通貨取引所の手数料比較
それでは本題の手数料比較に入ります。
手数料の比較対象は、国内の暗号資産(仮想通貨)取引量ランキングトップ3のビットフライヤー、コインチェック、ザイフ、及び、トップ3には入らないですが、手数料が安く、画面が見やすいことで評判の良いビットバンクを選びました。
また、各暗号通貨(仮想通貨)により手数料が異なりますが、今回は主要な通貨であり基軸通貨とも言われるビットコインとイーサリアムを対象としました。
ビットコイン
まずはビットコインを取引する場合の手数料の比較は以下の通りです。
- 備考:
- BTCはビットコインの通貨単位
- 売買手数料は取引所での取引手数料(ビットフライヤーは簡単取引所での売買手数料)
- ビットバンクの売却手数料-0.02%のマイナスの意味は手数料を取られるのではなく、むしろもらえるということ
詳しく内容を記載しておりますが、これを見ただけではイメージしにくいという方もいらっしゃると思います。
ですので、イメージがわきやすいように、後ほど具体的な手数料のシミュレーションをお示しします。(それをご覧いただければ一目瞭然です。)
念のため、ここでは要点だけご説明させてただくと、ビットコインについてはコインチェックがやや優位です。
ただ、他の取引所と比べてそれほど大差はないと言っていいです。
また、ザイフについては公式サイトを見ても、送金手数料を幅でしか記載しておらず、不明確ですので、ここではお勧めしておりません。
気になる方は直接ザイフにお問い合わせいただければと思いますが、個人的にはビットフライヤーやビットバンクなど他に使い勝手のいい取引所がありますので、そちらを使っていただければ問題ないと思います。
イーサリアム
続いてイーサリアムの手数料比較は下記の通りです。
- 備考:
- ETHはイーサリアムの通貨単位
- 売買手数料は取引所での手数料(ビットフライヤーはbitFlyer Lightningの現物取引の通貨ペアETH/円での手数料)
こちらも後ほどシミュレーションをお示ししますので、簡単に要点だけご説明させていただきます。
冒頭に知らないと損をする注意点があるとお話しましたが、それはこのイーサリアムの手数料のことで、コインチェックは他の仮想通貨取引所に比べて非常に高いです。
(後ほどご説明するシミュレーションで見ると一目瞭然です。)
とりあえず、コインチェックではイーサリムの取引をしない方がいいとだけ理解いただければ問題ありません。
念のため、手数料が高い理由についてもご説明しておきます。
コインチェックにおけるイーサリアムは、コインチェックが買い取り、それを販売するという形式でしか取引ができません。(これを販売所と呼びます。)
ここで、買い取りの価格と販売の価格の差のことをスプレッドと呼ぶのですが、これが手数料としてかかり、非常に高いのです。
一方、ビットフライヤーやビットバンクはコインチェックのように買い取りは行わず、直接ユーザー間で取引を行うことができます。(これを取引所と呼びます。)
この取引所でも取引の際に手数料はかかるのですが、販売所でかかるスプレッドと比べると遥かに安いのです。
上記の内容をイメージしやすいように、図式化したものを下記に示します。
ご存知なかった方は、手数料の高い販売所ではなく、安い取引所を使わないと損ということを覚えておいていただければと思います。
本題に戻りますと、要するに、イーサリアムの手数料についてはコインチェックを除けばどこも大体同じくらいとご理解いただければ問題ありません。
(金額の詳細は後述のシミュレーション結果をご覧ください。)
手数料シミュレーションについて(実際の金額を算出)
手数料についての比較をお示ししましたが、先ほど触れた通り、具体的な金額のイメージがわかない方もいらっしゃると思いますので、条件を定めて、代表的な取引パターンでかかる取引手数料を実際にシミュレーション(算出)してみます。
シミューレションの内容
シミュレーションの内容は下記になります。
シミュレーション①(購入+売却)
- 銀行から仮想通貨取引所に円を入金
- 入金された円を使って暗号通貨(仮想通貨)を購入
- 暗号通貨(仮想通貨)を購入と同じ相場で売却し円に変換
- 円を全て銀行に出金
このシミュレーション①を見ることで、仮想通貨取引所で暗号通貨(仮想通貨)の売買や売買で得た利益を円で出金する際に発生する手数料の大体の目安が分かります。
シミュレーション②(購入+送金)
- 銀行から仮想通貨取引所に円を入金
- 入金された円を使って暗号通貨(仮想通貨)を購入
- 他の仮想通貨取引所に送金
※2まではシミュレーション①と全く同じです。
送金については主な手数料の種類のところでも少し触れましたが、例えば海外の仮想通貨取引所では国内では取り扱っていない暗号通貨(仮想通貨)が存在し、そういったものを購入する場合などには暗号通貨(仮想通貨)の送金が必要になってきます。
特に、ブロックチェーンゲームに関連する暗号通貨(仮想通貨)については、海外の取引所でしか取り扱っていないケースもよくあるので、その場合に送金にはどれくらいの手数料がかかるのかの目安にしていただければと思います。
シミュレーションの条件詳細
ビットコインとイーサリアムで手数料が異なりますので、ビットコインとイーサリアムのそれぞれについて、このシミュレーション①と②を実施しました。
詳しいしミューレションの条件は下記の通りです。
- 元手:10万円
- 入金手数料:一律220円(三菱UFJ銀行からの振込を想定)
- 暗号通貨(仮想通貨)の価格
- ビットコイン:
- 300万円/BTC(例えば2022年10月21日では285万円/BTCでしたが、単純化のため300万円/BTCとしました。BTCは500万/BTCを超えたこともあるので、300万円/BTCはかけ離れた値ではありません。)
- イーサリアム:
- 取引所)193873円/ETH
- 販売所)買い 200908円/ETH、売り187020円/ETH
(先ほどご説明した通り、販売所の買い値と売り値の差であるスプレッドの算出に使用します。ただ、使用するのはイーサリアムにおいて販売所しか持たないコンチェックでの計算にのみです。) - 相場は2022年9月29日のものを使用
- ビットコイン:
- 保有している状態が暗号通貨(仮想通貨)の場合や手数料が暗号通貨(仮想通貨)の価格の場合がありますが、イメージしやすくするために、暗号通貨(仮想通貨)の価格を上記の条件とし、全て円の価値に換算して金額を示しております。
手数料シミュレーション結果(実際に金額を算出)
シミュレーション結果は全部で下記の4通りになります。
- シミュレーション①(購入+売却)|ビットコイン
- シミュレーション①(購入+売却)|イーサリアム
- シミュレーション②(購入+他のの仮想通貨取引所へ送金)|ビットコイン
- シミュレーション②(購入+他の仮想通貨取引所へ送金)|イーサリアム
それではそれぞれの結果を見てみましょう。
シミュレーション①(購入+売却)|ビットコイン
まずはビットコインを購入して売却するパターンの結果です。
- 備考:
- ビットフライヤーの売買手数料は約定×0.01%~0.15%BTCですが、上限の約定×0.15%BTCで算出しております。
- 手数料のところで少し触れましたが、ビットバンクの売却手数料が他と違ってプラスになっておりますが、これは逆にお金をもらえるという意味です。つまり、ビットバンクでは購入時は手数料を取られますが、売却する時は逆にお金をもらえるということです。
縦に各仮想通貨取引所を並べており、左から順にフローになっております。
詳細は下記の通りです。
- 元手10万円として銀行から仮想通貨取引所に入金
- 入金後残金を全て使ってビットコインを購入
- 購入したビットコインをそのまま売却して円にする
- 仮想通貨取引所の円を銀行に出金
各手数料を左から順に記載しており、一番右の合計手数料が、フロー全体でかかった手数料になります。
つまり、合計手数料が一番少ないものが一番お得ということなので、コインチェックが一番お得ということですね。
ただ、10万円という比較的大金を扱ってもこの程度の差にしかならないので、ビットコインについてはどこの仮想通貨取引所を利用しても大差はないという理解で良いと思います。
シミュレーション①(購入+売却)|イーサリアム
続いてイーサリアムを購入して売却するパターンの結果です。
- 備考
- ビットフライヤーの売買手数料は約定×0.01%~0.15%だが上限の約定×0.15%で算出しております。
こちらもビットコインとフローはまったく同じです。
結果としてはご想像の通り、コインチェックの手数料が圧倒的に高いです。
いかにコンチェックでイーサリアムの売買を行うことが損かがお分かりいただけたかと思います。
それ以外の仮想通貨取引所については大差ありません。
シミュレーション②(購入+他の仮想通貨取引所へ送金)|ビットコイン
続いてビットコインを購入して別の取引所へ送金するパターンです。
ザイフについては先ほども触れましたが、公式HPを見ても送金手数料の記載が不明確のため、グレーアウトしております。
こちらのフローも円を入金して暗号通貨(仮想通貨)を購入するところまではシミュレーション①と全く同じです。
シミュレーション②では購入した暗号通貨(仮想通貨)を別の仮想通貨取引所に送金する際にかかる送金手数料というものが発生するのが違う点です。
フローの見方はシミュレーション①と同じで、一番右の合計手数料がフロー全体でかかる手数料になりますので、この値を比較いただければと思います。
結果はシミュレーション①と同じような感じで、ビットコインについてはコインチェックが最もお得ですが、各仮想通貨取引所であまり大差は無いと言えます(強いて言うのであればビットバンクがやや高いですが、送金手数料の安いイーサリアムに通貨を変換して送金するという方法もあるため、そこまで悲観する必要はないです。)。
シミュレーション②(購入+他の仮想通貨取引所へ送金)|イーサリアム
続いてイーサリアムの結果です。
シミュレーション①の時と同様で、イーサリアムについては、コインチェックは購入手数料が非常に高いため、結果として合計手数料が大きくなっております。
それ以外の仮想通貨取引所についてはどこも良く似た手数料になっております。
10万円という現実的な金額かつよくあるパターンのシミュレーションを行ったため、大体の手数料の目安はイメージできたのではないでしょうか?
結論
これまでのご説明で大体どの仮想通貨取引所が良さそうかはお分かりいただけたと思いますが、結論は下記になります。
- ビットコインのみを利用する場合
- コインチェック
- イーサリアムのみ利用する場合
- ビットフライヤー(またはビットバンク)
- 【オススメ】ビットコイン+イーサリアム+他の暗号通貨(仮想通貨)を利用する場合
- コインチェック+ビットフライヤー(またはビットバンク)
ビットコイン用:コインチェック、ビットコイン以外用:ビットフライヤー(またはビットバンク)
- コインチェック+ビットフライヤー(またはビットバンク)
つまり、ビットコイン用にコインチェックを開設し、さらにイーサリアムなどの他の暗号通貨(仮想通貨)を取り扱うためにビットフライヤーまたはビットバンクを開設するのがベストです。(計2か所の開設)
色々な暗号通貨(仮想通貨)を取り扱いたいけど、どうしても仮想通貨取引所は1つに絞りたいと言う場合(リスク分散の観点からも絞る必要は無いと思いますが)はビットフライヤーかビットバンクが良いでしょう。(先ほど触れた通り、コインチェックはイーサリアムの手数料が非常に高いためです。)
ビットフライヤーとビットバンクについてはどちらも遜色(そんしょく)無いですが、知名度を取るならビットフライヤーで、少しでも売買での手数料を押さえたいならビットバンクとなります。(ただ、手数料の差はシミュレーションでお示しした通り、微々たるものです。)
私はビットフライヤーをメインに使っておりますが、知名度や手数料は人によって価値基準は違うと思いますので、お好きな方を選んでいただければ問題ありません。
仮想通貨取引所の開設は無料で簡単にできますし、コインチェック、ビットフライヤー、ビットバンクの3つくらいは開設してみて、使いやすいものをメインに使っていくというのが良いと思います。(私は7か所の仮想通貨取引所を開設しております。)
仮想通貨取引所開設の公式HPは下記の通りですので、宜しければ参考にして下さい。
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